Running X11 - 4. X11 の起動
4.1 Darwin
純粋な Darwin 上では XFree86 は他の Unix と同様に動作します。
通常、コンソールから startx
で起動させると、サーバとウィンドウマネージャやターミナルエミュレータなどのクライアントが実行されます。
純粋 Darwin 上ではパラメータは必要ありません。
単純に:
startx
と入力します。
ホームディレクトリにあるファイルを編集することで、何を起動させるかをカスタマイズすることもできます。
.xinitrc
はどのクライアントを起動するかを管理します。
.xserverrc
はサーバオプションや他のサーバを起動させることもできます。
もし問題があれば (真っ暗な画面やコンソールに戻ってしまったら) 、上述のファイルを削除してみて下さい。
startx
はこれらのファイルがない場合は安全なデフォルト設定で起動するはずです。
あるいは、サーバに XDMCP オプションをつけて、次のように起動することもできます:
X -query remotehost
これについての詳細は Xserver
のマニュアルページに書かれています。
最後に、 xdm
オプションを設定して起動することもできます:
これについての詳細はマニュアルページをご覧下さい。
注記: Panther 以前のMac OS X では、
ログイン画面で >console
と入力することでテキストコンソールに入ることもできます。
これは
注記: Mac OS X Panther 以降では、 console ウィンドウからは XFree86 は起動できません。
4.2 Mac OS X + XFree86 4.x.y
Mac OS X で XFree86 を起動するには、基本的に二つの方法があります。
ひとつはアプリケーション
フォルダ内の XDarwin.app
アプリケーションをダブルクリックします。
この後、起動ダイアログでフルスクリーンかルートレスかを選択します。
このダイアログは毎回でてきますが、 Preferences ダイアログで設定を行うと出てこなくなります。
4.2.0 より前は自動的にフルスクリーンモードで、ダブルクリックによる起動ではルートレスに変える方法はありませんでした。
もうひとつの方法は、 Mac OS X 上で ターミナル.app
から startx
を実行します。
この方法でサーバを起動する場合、Quartz と共存することを伝える必要があります。
これは、 -fullscreen
オプションをつけて:
startx -- -fullscreen
とします。
これにより、フルスクリーンモードでサーバが起動します。
クライアントは .xinitrc
に書き込んで下さい。
注記: 4.2 より前では -quartz
でフルスクリーンモードになりました。
-rootless
オプションを使って:
startx -- -rootless
-quartz
オプションはもうフルスクリーンモードを選択しません。
代わりに、 Preferences のデフォルトモードを使用します。
4.3 時点では、引数なしで startx
を実行すると起動ダイアログが表示されます。
4.3 X.org の起動
X.org は XFree86 と全く同じ要領で起動します。
4.4 Apple X11 の起動
機能としては、 Apple X11 は XFree86 と同様です (例えば、.xinitrc
を
使って、クライアントを制御します)
通常の起動方法は X11.app
をダブルクリックします
(これは/アプリケーション/ユーティリティ
内にあります)。
startx
コマンドを使うことも可能ですが、コマンドラインオプションを使ってディスプレーモードを指定することはできません;
X11.app
は、初期設定で選択されたモードで起動します。
ウィンドウマネージャーは、ほかの設定をしない限り quartz-wm
となります。
X11.app の初期設定で、再起動することなくフルスクリーンとルートレスを切り替えることができます。
しかし、これは quartz-wm では動作しません;
ほかのウィンドウマネージャーを (.xinitrc
で設定して) 使う必要があります。
4.5 applex11tools パッケージ
Fink の applex11tools
を用いると、 OS 10.3 以降では、
XFree86 4.4 以降や X.org で X11.app
と quartz-wm
を組み合わせることができます。
このパッケージを使用するにはunstable ツリー を設定し、X11User.pkg
を /Users
または /Volumes
のどこかに置きます。
X11.app
は、 Fink ツリー内の Applications
フォルダーにインストールされます。
これで X11.app
や XDarwin.app
を使うことができます。
4.6 .xinitrc ファイル
ホームディレクトリに .xinitrc
という名前のファイルがある場合、自動的にウィンドウマネージャや
xterm, GNOME などのデスクトップ環境といったX クライアントを起動するために使われます。
.xinitrc
はコマンドを実行するシェルスクリプトです。
通常の #!/bin/sh
を先頭に書いたり、実行可能フラグをたてる必要はありません。
xinit はシェルを通して起動する方法を知っています。
.xinitrc
ファイルがホームディレクトリ内にない場合、 X11 はデフォルトのファイル
/private/etc/X11/xinit/xinitrc
.
を使用します。
このデフォルトのファイルを元に編集するとよいかもしれません。
cp /private/etc/X11/xinit/xinitrc ~/.xinitrc
Fink を使っている場合、 source init.sh
を一番最初に実行します。
これによって環境が正しく設定されます。
.xinitrc
には任意のコマンドを追加できますが、いくつかの注意点があります。
まず、シェルはデフォルトではプログラムを一つづつ実行していきます。
次にプログラムは、前のプログラムが完全に終了するまで実行されません。
同時に複数のプログラムを実行したい場合、シェルに "バックグラウンド "
で実行するよう伝えるため &
を各行の最後に追加します。
次に、 xinit
は .xinitrc
スクリプトがが終了しするまで待ち、
"セッションは終了しました。 X サーバを終了します。"
と解釈します。
この意味は、.xinitrc
の最後のコマンドはバックグランドで実行してはならず、ずっと実行されていなければならないということです。
慣習的にウィンドウマネージャはこの目的のために使われてきました。
実際、ほとんどのウィンドウマネージャは xinit
が待っていることを想定し、メニューの "ログアウト" ではこれを使います。
(注記: メモリと CPU サイクルを節約するために、下記の例のように exec
を追加すると良いでしょう。)
以下の簡単な例では、XFree86 または Xorg 上で GNOME を起動しています:
source /opt/sw/bin/init.csh exec gnome-session
より複雑に、 bell をオフにし、クライアントをいくつか起動してから Enlightenment ウィンドウマネージャを起動するには:
source /opt/sw/bin/init.sh xset b off xclock -geometry -0+0 & xterm & xterm & exec enlightenment
GNOME2.4 以降を Apple X11 下で起動するには:
. /opt/sw/bin/init.sh quartz-wm --only-proxy & exec gnome-session
KDE 3.2 (version < 3.2.2-21) を Apple X11 下で起動するには
. /opt/sw/bin/init.sh export KDEWM=kwin quartz-wm --only-proxy & /opt/sw/bin/startkde >/tmp/kde.log 2>&1
最後に、最新版の unstable な KDE を Apple X11 下で起動するには:
. /opt/sw/bin/init.sh /opt/sw/bin/startkde >/tmp/kde.log 2>&1
4.7 OroborOSX
OroborOSX は、X11.app や XDarwin ディスプレイマネージャーの代わりになります。
これは、あらかじめ X11 を必要とします。
X11.app
または XDarwin.app
もそのまま使うことができます。
OroborOSX が実行されると、独自のルートレスのみのウィンドウマネージャーを立ち上げ、
システムの xinitrc
やユーザーの .xinitrc
は読み込みません。
起動後に .xinitrc
を実行するメニューがあります。
しかし、起動時にアプリケーションを設定する独自の方法が採用されています。
また、Finder から X11 アプリケーションを、スクリプトを用いて起動することができるメカニズムもあります。
詳しい情報は、 OroborOSX ホームページをご覧ください。
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